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『合い言葉』はゼロ、ビルゴーラ!?
| 昨年11月の中頃から、イタリアのプ−リア州を車で回る旅をした。とは言うものの日本ではペーパードライバーの私、対向車がほとんど来ないひたすらまっすぐな道を、恥ずかしながらたった5分間だけ運転した。両サイドには果てしなくオリーブ畑が広がる。快晴の中でのイタリア初走行は、なんとも気持ちが良かった。 |
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だがイタリアの街のチェントロ(中心地)はとにかく一方通行が多い。一緒に旅した友達も海外での運転はかなり慣れているにもかかわらず、何度もふたりで「さっきここ通ったよね!?」状態に陥った。
レッチェのホテルにも、なかなか辿り着けなかった。あの辺にホテルが・・・とわかっているのに辿り着けないもどかしさ。やっとチェックイン出来た時のフロントのおじさんの優しい笑顔が嬉しかった。
そしてこのホテルに滞在した数日間、このおじさんには何度も優しく声をかけてもらい、心からその笑顔に癒されることとなる。
実は今回の旅で私ははじめてパソコンを持っていった。前日迄宿泊していたアルベロベッロのトゥルッロには電話もないし、使えそうな場所じゃなかったから、今日こそは!と早々荷物を解きパソコンをつないでアクセスを試みる。なかなかつながらない。アクセスポイントを変えたり、私が知っている限りのことはいろいろ試してみた。でもダメだった。
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呼び出し音に雑音が混じっている。うーんなんで?少し気持ちを落ち着けてから再度挑戦しようとパソコンの回線を切った。とたんに電話が鳴った。「プロント?(もしもし)」
男の人がとっても早口なイタリア語でしゃべっている。何を言っているのか?なので、「私はホテルの客です。」と答えた。電話は切れた。 |
とまた電話が鳴った。今度は女の人だ。別の部屋の人のようだ。私は答える。「私も客です。ルームナンバーは・・。」電話は切れた。それから立続けに電話がなり、そのたびに同じような応対をし、相手の電話は切れた。「ここはフロントじゃないよ〜。」つつ疲れた・・。
『混線してる!?』慌ててフロントに電話した。
「○○号室ですが、電話が混線してます!」フロントのおじさんがわかってますよ、と言わんばかりに「今パソコンを使ったでしょう?」と言った。「えっ、なんで知ってるの?」
電話で会話ができる程イタリア語がうまいわけじゃないから、すぐにフロントへと降りていった。さっきのフロントのおじさんが優しく笑っている。
| 彼はアクセスポイントのナンバーの前に『0』ゼロではなく、『0,』ゼロ、ビルゴーラを付けるのだと教えてくれた。そうとも知らず何度も何度もゼロ発信でアクセスを試みて、挙げ句の果てに「電話が混線してます!」と言い放つ変な日本人に苛立つでもなく、彼は優しく間違いを指摘してくれた。 |
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そして彼は混線した時の、それを解く魔法の番号も教えてくれた。ホッ!これで一安心。
それからそのフロントのおじさんと目が会うたびに、彼は私達に『0,』『0,』ビルゴーラはカンマの事だ!と宙にカンマを書いてアピールした。わかったわかったとうなずきながら、それは私達3人をつなぐ『合い言葉』のようでおかしかった。
実はあの後レッチェにいる間に何度もアクセスしてみたが、結局最後までつながらなかった。私の持っていったパソコンが最新式のものだったのがいけなかったみたいだ。でもフロントのあのおじさんにそのことは言えない!あんなに優しく何度も『0,』と教えてくれたのだから。
でも、今思えば彼にはきっとバレバレだったに違いない!顔を合わせるたびに大きくなる、彼の『0,』ゼロ、ビルゴーラのアピールがそれを物語っていた。 |
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