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街のあちらこちらにイルミネーションが点灯し、今年もいよいよ終盤戦。忘年会、クリスマスパーティー等、人の集まる機会が増えるこの季節。我が家も例外ではない。我が家にはワインが売るほど(?!)あるので、友人を呼んで深夜まで飲むこともしばしば・・・。
数年前の冬のある日、我が家に学生時代からの友人が集まった時の事。様々なツマミを用意していたのだが、中でもチーズは奮発して「L’ami du chambertin(シャンベルタンの友)」つまりシャンベルタンと同じ産地で作られたシャンベルタンのためのチーズを用意していた。これが熟成していたため、かなりの芳香を放っており、友人を驚かすには十分なネタになるはずだった。しかし、友人Fがもっとスゴイものを持ってきたのである。
彼が持ってきたのは「Le mont d’or(モンドール:黄金の山)」というウォッシュチーズだった。店頭ではヴァシュラン・モンドールという名前で並んでいると思うが、10月〜3月頃に売られる季節限定のチーズなのである。毎年8/15〜3/31までに搾乳された牛乳でつくられ、熟成から出荷までエピセアという木の樹皮に巻かれているのが特徴である。友人Fも集まる友人そして私を驚かせたかったらしく、グルメもうなるというこのチーズ、しかもかなり熟成が進んだものを選んできたようである。幾重にも包まれたビニール袋から出てきたモンドールは、表皮がオレンジ色で湿っており波打ったようになっていた。そして強烈な芳香を放っており、友人達の関心を一気に惹き付けた。
どろどろに熟成したモンドールを恐る恐る口にしてみたが、味は匂いほど強烈ではない。塩気がほとんど感じられず、むしろクリーミーで美味しい。私が用意したラミ・デュ・シャンベルタンもねっとりと濃厚で美味しかったが、芳香、クリーミーさはモンドールの方が勝っていた。途中、洗面から戻ってきた友人が「部屋の中が臭い!生ゴミ臭いよ!」と騒いでいたが、本当にスゴイ匂いだった。チーズの残りを冷蔵庫に保存していたためか、翌日はもちろん、数日間家の中が生ゴミを放置していたかと思うほど臭かった。
数日後、今度は友人Fの別荘にスキーをするため集まったので、私はあの残ったチーズを持参し、皆で食べた。さらに熟成していたので、匂いは別荘中にたちまち充満することとなった。でも、予想もしなかったさらに凄いことが自分の体に起きていた。翌日のスキーウェアの中に充満していたのは、自分の体中の毛穴から発散したチーズ臭だった。何となく西洋人の匂い・・・。私だけかと思ったら、皆同じだったので一同大笑い。こんなに簡単に体臭が変わるとは思わなかった。西洋人の体臭が理解できた一連の出来事だった。
誤解のない様に補足しておくが、モンドールもラミ・デュ・シャンベルタンも程よい熟成状態のものは、大変美味なものである。怖がらずに一度お試しあれ!
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